べんきのにっき

いろいろと垂れ流します。

統計検定各級の対策事例(1級、準1級、2級、3級)

TL;DR

基本的に過去問に過学習すれば受かる。

自分の合格状況 指導経験 お気持ち
1級 合格 なし 実は数学力いらない
準1級 合格 あり 浅く広く適当で受かる
2級 合格 あり この辺から対策が必要になる
3級 未受験 あり 社会人はノー勉では取れない
4級 未受験 なし 社会人なら取れる

注意点

全て個人の試験対策や、幾らか他人を指導した範囲での内容です。

高校生〜大学生にはあまり役に立たない内容で、目安として社会人(20〜40才程度)向け。

さらに、数学を真面目に学んでこなかった人向け。数学にこだわる人はこの記事でなく鍋谷(1978)とか読んでください。

1級

状態

自身が合格(数理・応用)

指導経験は無し

対策

1. 検索で出てくる大学の数理統計の講義資料

「数理統計学」なんかで検索すると、大学の講義レジュメがたくさん出てくる。
こういうのを使えば、大体勉強できてしまう。

個人的な指針として、数学科レベルの、測度論に踏み込む資料は必要ない点を強調したい。

過去問を見ればわかるが、 \varepsilon - \deltaを用いて証明する問題は出ない。 もちろん位相も測度も関数解析も不要である*1

ぶっちゃけた話、ヤコビアンを含む変数変換と部分積分 \sumの変形さえできれば、高校数学に毛が生えたレベルで十分戦える。

この辺をなんとなく抑えてから資料を選ぶと良い。

2. 公式の過去問

これは当然なので解説しない。

3. RSSのGraduate Diplomaの過去問

RSS(王立統計協会)は、以前に認定試験を実施していた。Higher CertificateとGraduate Diplomaであり、後者の方が難しい。

この試験は過去の実施問題が公開されており、graduate diplomaのmodule 1とかmodule 2あたりが妙に統計数理の対策に使える。
1級過去問解いた後に見るとなんとなく既視感を覚える。 higher certificateも少し触れておくと計算練習になる。

個人的な感想

以下に挙げる書籍は、1級の参考書籍として挙げられることが多い。
しかし、個人の見聞の範囲からするとやりすぎな内容も含む *2ここまでやらなくても合格できる

ちなみに私は次の書籍を使用した。上の3冊より難易度が低いため、無能の私にはこちらの方が良かった*3

鈴木「数理統計学 -基礎から学ぶデータ解析-」(内田老鶴圃)

もちろんこれも丸々一冊マスターする必要はない。

準1級

状態

自身が合格

部分的に指導経験あり

対策

WEBで簡単そうな資料を探して手当たり次第読んだ。 検索方法は、クラスター分析、主成分分析、カーネル法、など関連しそうな用語で出てきた物だけ。

数理的な理解は一切ない。

個人の感想

2級と一緒に受験したら合格した。
体感の目安として2級の問題を解いて安定して8割以上解けるようになるあたりから挑戦権がある、くらい。

なんとなく勉強して受かっただけなので、あまり偉そうなことは言えない。

2級

状態

自身が合格

指導経験あり

内容

ここに以前まとめた。

紙のテストなら6割ちょっと(23/35)得点できれば受かる。

ben-key.hatenablog.com

3級

状態

受けてない

指導経験のみあり

教えていた時の感想

3級のためだけの対策をやったことはない。

2級の指導が多かったため、その部分集合で基本的に受かる。気合の入った試験対策が必要かという観点で言うと、そんなに必死に対策するレベルではない。

なお内容が改定され、ちょっと試験範囲が増えるので、今後難易度は少し上がるはず。

社会人相手に試験対策を指導していた際、指導を始める前に内容確認として4級と3級の内容を解かせていたことがある。

結果として、 何も勉強していない社会人にいきなり解かせると、4級はほぼ間違いなく合格点取れるが、3級はほぼ間違い無く合格点取れない という感じだった。

ただし指導した社員は「ほぼ文系&しかしそれなりにいい大学を出ている」人が多かったので、本当に一般人相手に解かせるともう少しレベルは落ちると思う。

*1:もちろん知っていてマイナスになることはない

*2:もちろん統計検定の対策専用書籍じゃないから当然である

*3:久保川の本が発売されるよりも前であり、そもそも選択肢に存在しない時期だったのもある。今だったら久保川がいいのだろうか?