べんきのにっき

いろいろと垂れ流します。

20章の例題をといてみる

前回の記事で練習した同時介入効果の式を使って、実際に例の本の例題データが解けることを確認する。

データ

N  \displaystyle A_{0}  \displaystyle L_{1}  \displaystyle A_{1} Y
2400 0 0 0 84
1600 0 0 1 84
2400 0 1 0 52
9600 0 1 1 52
4800 1 0 0 76
3200 1 0 1 76
1600 1 1 0 44
6400 1 1 1 44

書籍のTable 20.1と同じもの

グラフ

f:id:ben_key:20200724144203p:plain

書籍のFigure20.3と同じもの

解く

まず、同時介入のための \displaystyle Z_{1} \displaystyle Z_{2}を特定する。

構造が簡単なので、比較的簡単。

 \displaystyle Z_{1}を特定する。 \displaystyle A_{0}から出るパスと \displaystyle A_{1}に向かうパスを切断したものは以下。

f:id:ben_key:20200724144214p:plain

 \displaystyle A_{0} \displaystyle Yは切れているので、 \displaystyle Z_{1}=\phiであることがわかる。

次に \displaystyle Z_{2}を特定する。 \displaystyle A_{1}パス出てないし \displaystyle A_{2}がそもそも存在しないため切断不要、グラフは以下。

f:id:ben_key:20200724144203p:plain

 \displaystyle A_{0} \cup Z_{2} \displaystyle A_{1} \displaystyle Yを有向分離するには、 \displaystyle Z_{2}=L_{1}とすればよい。

で以上で特定はできた。前回求めた同時効果の式から、計算式は以下になる。

 \displaystyle E(Y|do(A_{0},A_{1}))=\sum_{L_{1}} E(Y|A_{0},A_{1},L_{1})p(L_{1}|A_{0})

あとは表から数字を引っ張ってきて、 \displaystyle E(Y|do(A_{0}=0,A_{1}=0)) \displaystyle E(Y|do(A_{0}=1,A_{1}=1))を計算しよう。

まず前者のnever treatを計算する。

 \displaystyle E(Y|do(A_{0}=0,A_{1}=0))

 \displaystyle =E(Y|A_{0}=0,A_{1}=0,L_{1}=0)p(L_{1}=0|A_{0}=0)  \\ +E(Y|A_{0}=0,A_{1}=0,L_{1}=1)p(L_{1}=1|A_{0}=0)

 \displaystyle =84\frac{1600+2400}{16000} + 52\frac{2400+9600}{16000}=21+39=60

次に後者のalways treatを計算する。

 \displaystyle E(Y|do(A_{0}=1,A_{1}=1))

 \displaystyle =E(Y|A_{0}=1,A_{1}=1,L_{1}=0)p(L_{1}=0|A_{0}=1)  \\ +E(Y|A_{0}=1,A_{1}=1,L_{1}=1)p(L_{1}=1|A_{0}=1)

 \displaystyle =76\frac{4800+3200}{16000} + 44\frac{1600+6400}{16000}=38+22=60

以上から、このcontrastは以下の通り0(因果効果なし)となる。正しい結果になった。

 \displaystyle E(Y|do(A_{0}=1,A_{1}=1))-E(Y|do(A_{0}=0,A_{1}=0))=60-60=0