おしだせ、しゅうごうのぞく
内容
加法族を押し出した場合にも加法族になることを考える練習
何年か前の自分の為に書いた。強烈にくどい書き方であるが、当時の私にはこれくらいでないと分からない。
押し出しの定義
集合X,Y
関数
集合族、
を用いて、押し出しを次の通り定義する*1。
押し出し :
ここから、ある集合Zについてを示すには、その逆像がとなることを示せばよいことがわかる。
押し出しで示したいこと
が加法族ならも加法族
が加法族であることは前提になっている
このあと表記上の理由から、とおく。(文字数を減らしたいだけ)
1. 空集合を含む
示すべき内容
方針
特になし。を示すだけ。
【証明】
仮定よりが加法族であるから、。
まとめると、次の通り。
ということで、が証明できた。
2. 補集合で閉じる
示すべき内容
方針
のとき、であることを確認すればよい。
そのため、の定義から、「」と「」が成立することを示せばよい。ただし前者はまぁ自明っぽいよねということで後者だけ確認する。
【証明】
ある集合Bがとする。 このとき押し出しの定義からである。
仮定よりが加法族であるから、(なので、)となる。
ここで、「」と「」を考えると、次のようになる。
ということで、が確認できたので証明できた。
3. 加算加法性を持つ
示すべき内容
方針
のときであることを確認すればよい。
先と同様に、の定義から、「」が成立することを示せばよい。
【証明】
可算個の集合がとする。 このとき押し出しの定義からである。
仮定よりが加法族であるから、(なので、)となる。
ここで、「」を考えると、次のようになる。
ということで、が確認できたので証明できた。
補足:証明のために必要な内容
式変形でしれっと使用した関係がいくつかあるので、書いておく。
関係1 :
これ約束か定義だと思う。
関係2 :
これは逆像の定義をよく考えたら全射、単射に関係なく成立する。
関係3 :
関係4 :
*1:押し出しも引き戻しも、どちらも逆像で定義している